NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題7 赤ちゃんが喜ぶあそびを三つ言えますか?

  おもちゃを例に考えてみましょう。おもちゃを使うことによって、赤ちゃんは体のどこを使うことになるでしょう。@手(指先)を使います。A耳を使います(音が鳴ります)。B目を使います。そして、手からの刺激と耳からの刺激と目からの刺激を組み合わせてひとつの動作を行っているわけですから、C脳も使っています(視覚野や運動連合野など)。
 ガラガラのようなおもちゃで遊ぶという行動ひとつをとってみても、脳の様々な場所が刺激されて神経細胞はどんどん発達していきます。一見何気ない遊びも、赤ちゃんにとっては、これから大人になるときに必要な能力を残していく大事な勉強なのです。

  では、道具を使わない遊びにはどんなものがあるでしょう。
 たとえば、「いないないばあ」という遊びがあります。赤ちゃんの目の前で、両手で顔を隠して、「いないない…」と言ってから、「ばあ〜」と手を開いて顔を見せる遊びです。この「いないないばあ」も赤ちゃんは大好きです。赤ちゃんが大好きな遊びということは、赤ちゃんにとっての勉強、赤ちゃんの脳を刺激して神経細胞を発達させる活動だということです。
 この「いないなあばあ」は脳のワーキングメモリー(作業記憶)を鍛えてくれます。お母さんの顔が急に隠れてしまった場合ですと、赤ちゃんは「何が起こったのだろう?」「お母さんはどうなっちゃたんだろう?」とお母さんのことを思い浮かべます。お話にすると「お母さんが隠れてしまいました。」ということです。

 算数で言うと「りんごがお皿に5つあります」というお話を聞いたときのような感じでしょうか。この時点で脳のワーキングメモリーが刺激されます。そして次の瞬間にお母さんの顔が「ばあ〜」というお母さんの声とともに現れる。「やっぱり!」「おかあさんだ!」と赤ちゃんはお母さんの顔を再確認します。ストーリーにすると「お母さんはもどってきました」ということです。算数の問題で言えば「そのお皿にリンゴを3つ乗せました」というような刺激です。ちょっと前の出来事とその次に起こった出来事をつき合わせて出来事全体を楽しむのが「いないないばあ」です。そして、この「つき合わせて全体を理解する」という作業をおこなう場所が脳のワーキングメモリーです。ですから、「いないないばあ」は立派な勉強です。「いないないばあ」に限らず、赤ちゃんが喜ぶ多くの遊びが、赤ちゃんの脳を刺激し、その後の発達に重要な役割を果たしているわけです。
 さて、赤ちゃんが喜ぶ遊びを3つ言えますか。

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