NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

【コラム】さっとママの体験E

桶谷式母乳相談室

 息子が生まれて3、4カ月頃、お乳を呑んでいる最中に不思議な行動をとるようになりました。 ちょこちょこっと呑んでは顔を上げ、嬉しそうな穏やかな目で私を見つめ「アー」と言い、再びお乳をちょこちょこっと呑んでは顔を上げ、嬉しそうに私を見つめて「アー」と言います。その表情を見ると私も思わず顔がほころんでしまうのですが、これを授乳中に何度も何度もやるので私もしまいには噴き出してしまって「笑っているのもいいけど、落ち着いておっぱい呑みなさい」と声をかけてしまったものでした。それでも彼は何度かその行為を続け、ようやく残りのお乳を落ち着いて呑み終わります。
 当時、お世話になっていた桶谷式母乳相談室の先生にこの話をしたら、興味深いことを教えてくれました。赤ちゃんの3、4カ月頃は脳の前頭前野が急速に発達する時期で、「嬉しい」「楽しい」といった感情面が豊かに育っていく時期なのだそうです。そして、その発達をよく促すのが「お母さんの笑顔」だというのです。「お乳を呑む時の距離で赤ちゃんに微笑まれるとお母さんも思わず微笑むでしょう。それが赤ちゃんの前頭前野の発達を促して豊かな感情と情緒の安定を育てるんだよ。よくできてるでしょう」と教えてくれました。赤ちゃんが大好きなお母さんに抱かれ、大好きなお乳を呑みながら、大好きなお母さんの笑顔を見つめることができる。赤ちゃんは嬉しくなるだろうし、当然情緒も安定するだろうと思いました。それがよく発達する時期だからこそ、うちの息子も先のような行動を取り始めたのなら、本当に人間というのはよくできてるなあと思いました。先生は続けて言いました。
「だからこそ、お乳をやる時にテレビを見たり、パソコンをしたりはしないの。赤ちゃんを見ながらお乳をやりなさい、というのはそういうことなんだよ」
「はあい」と反省しながら先生の話を聞きましたが、実行できるかどうかは自信がありませんでした。(笑)

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