NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

【コラム】さっとママの体験J

お母さんじゃないとダメ!

 赤ちゃんには「お母さんじゃないとダメ!」という時期があります。
 ある日、帰宅した私の耳にギャーンと泣き叫ぶ息子の声が聞こえました。私は急いで「ただいまー!お母さんだよー!帰ってきたよー!」と家に入りました。息子がお父さんの胸に抱かれながら泣き叫び暴れていました。すぐに私は息子を引き取り抱き上げました。息子は安堵したように泣きやもうとし、それでも興奮が冷めないようでしゃくりあげてはお乳を呑むことを繰り返しました。
 別の日の夕方、私はぐずりはじめた息子をお父さんに預けて晩御飯の支度をしていました。ところが、息子はお父さんがどんなにあやしても泣きやみません。それどころかぐずりがますます激しくなっていきました。「お母さんじゃないと、ダメなのかな?」と冗談まじりにお父さんから息子を引きとり抱きあげたら、ピタッとぐずりが収まりました。そして、抱っこしたまま子守唄を何曲か歌ってあげると顔を私の胸にうずめてすやすやと眠ってしまいました。お父さんはその様子をちょっと不服そうに眺めながら夕飯作りの続きの方を引き受けてくれました。
 初めての子育てでなかなか気付けなかったのですが、どうやら息子は「お母さん」と「それ以外の人」を認識して、お母さんにお世話してもらいたいと主張していた時期だったようです。
 「愛着の形成」「母子分離不安」という言葉を様々な本で目にしていましたが、こういう風に現れるんだなあと思いました。  お父さんが子どもをお風呂に入れると子どもがお母さんを探して泣きだす、寝かしつけはお父さんじゃなくお母さんじゃないと寝てくれないなど、イクメンを目指すお父さんのやる気を削ぐような時期も確かにあります。そんな時は、赤ちゃんに100%かかりきりになるお母さんをぜひバックアップしてあげてください。お母さんの代わりに夕飯作りを引き受ける、茶碗洗いをする、風呂洗いをする、お母さんの愚痴を聞く、などイクメンパパにできることはたくさんあります。

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