NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題11 わざとお母さんではない人の顔を見て泣くのはなぜでしょう。

 「7ヵ月不安」が起きる前までの赤ちゃんは、誰に抱っこをされても平気だったり、誰にあやされても笑顔を見せたりしていました。これはお母さんとの愛着形成が完成していないからとも言えますが、それだけではなく、お母さんとお母さん以外の人を区別する能力が身についていなかったからでもあります。ですから、人見知り以前ならば、お母さん以外の人でも「特別な人」になることが可能です。ところが、7ヵ月前後になると、赤ちゃんは人を見分ける力を持つようになるので、その能力を使って「区別する」という行動を始めます。能力ですから、その力を使うことは「腕だめし」です。赤ちゃんにとって、特別な人以外のお客さんが来ることは腕を試す絶好のチャンスです。「この人はお母さんではない」「こっちが私のお母さん」赤ちゃんはその両方を行き来しながら自分の能力を確かめます。これが、お母さんではない人の顔をわざと見る行為の正体です。

【答え】

お母さんとそれ以外の人とを区別できるという自分の力を確かめている。

 特別な人を確かめるという行為は、それ以外の人がそばにいて初めてできる行為です。赤ちゃんにとっては貴重なチャンスです。「確かめ」ですから、この行為を繰り返すことによって、特別な人は、より強固に認識されます。つまり、人見知りをすることによって「この人が私のお母さんだ」という安心感を強め、心の中にも「お母さん」という安心の居場所がつくり出されていきます。

出題のポイント

ヒントはありません。必要に応じて「人見知りとはこういうことです」などの解説を加えていってもいいでしょう。ポイントは「お母さんを確かめるため」ということと「自分の能力を発揮している」というところです。

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