NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題39

「やすらぎのホルモン」と呼ばれる物質はどれでしょう。
 @ ノルアドレナリン
 A ドーパミン
 B セロトニン

ヒント 「幸せのホルモン」「癒しのホルモン」とも呼ばれます。

  ニューロンという言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本語では「神経線維」と言います。図@のような形をしています。要するに「神経」です。痛みなどの感覚も、喜びなどの感情も、計算などの思考も、すべて神経を通って体のあちこちからその情報が伝達されます。すべての情報は電気信号として神経の中を走り抜けます。そのスピードは皮膚感覚の神経で秒速50mと言いますから時速180kmほどです。脳の中では図のようなニューロンが千数百億個もつながったり、絡み合ったりして巨大なネットワークをつくっています。その中を電気が通ることで私たちは考えたり、感じたりしているわけです。

  ただし、100%が電気というわけではありません。ニューロンとニューロンの間にはわずかな隙間が存在します。この隙間をシナプス と言います。(図A)この隙間は電気が通れません。電気が通れないので、伝わって来た情報を様々な物質に変えて次のニューロンに送り届けます。その物質のこと を「神経伝達物質」と言います。シナプスの部分を拡大したのが図Bです。電気信号を神経伝達物質に変えて向かい側のニューロンに放出しています。情報を送り届けたあとは神経伝達物質を再びもとのニューロンに取り込みます。こうして巨大なネットワークの中を様々な情報が猛スピードで駆け抜けるわけです。

 感覚や感情や思考はこうして電気と伝達物質という二種類の手段を通して処理されます。このうち、電気の方は正確に情報を伝えます。しかし、伝達物質の方は種類も豊富で放出される量も人によって様々なので情報の伝わり方に変化が生じます。同じ映画を観ても人によって感じ方が違っていたり、同じ話を聞いても受け取り方が微妙に違ったりするのはそのためです。「だからこそ人間は面白い」というのは100%が電気信号ではなく、神経伝達物質の働き方が人それぞれだからです。の神経伝達物質の代表がドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンの三つです。それぞれについて解説します。

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