NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題40 「こんな子になって欲しい」という場合の方法は?

 1998年にアメリカで前頭連合野の能力と人生の成功度を比較した数万人規模の調査が行われています。その結果を見ると、「仕事が1ヵ月以上続かない」「5年以内の離婚」「貧困」「入獄経験あり」「望まない妊娠」「高校中退」などの要素が前頭連合野の能力と有意に関係していることがわかりました。これらの要素は「人生における成功」とは言えません。その不成功者の割合が、勉強ができる・できないではなく、前頭連合野の能力と関係しているというのです。ちなみに、医師や弁護士、企業の重役、成功した企業家などでは、600人中1人の例外もなく前頭連合野の能力が平均以上だったとわかっています。[18]

 また、その後の調査では、前頭連合野の能力が高いと年収も高く、交通事故や医療機関にかかる確率が低いことがわかっています。これを国ごとに調べると、前頭連合野の能力が高いほどGNP(国民総生産)やQOL(生活の質)も高いそうです。[19]

 問題に出て来た①~⑥の人物像を振り返ってみましょう。

①明るくて、前向きで、計画的で、プラス志向
②意欲的で、集中力があり、困難を乗り越える力を持つ
③個性的、独創的で、様々な工夫を自分で作り出せる
④理性的で、自分の感情や欲望をうまくコントロールできる
⑤協調性があって、優しく、思いやりがある
⑥社会的成功を得て、幸福な家庭を築き、人生に成功する

 これらは、澤口氏の著書『HQ論』を参考にしながら作った「前頭連合野がよく発達した人物の特徴」です。
 違いがわかるように「発達しなかった場合の特徴」も載せておきます。

①'無計画で、マイナス思考
②'意欲や集中力がなく、挫折しやすい
③'独創性や応用力がなく、人マネをするが失敗しやすい
④'キレやすく、自分勝手な行動、反社会的な行動をとる
⑤'相手の気持ちがわからず、協調性や優しさが希薄
⑥'幸福な家庭を築けない、社会的な成功に見放される

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