NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題40 「こんな子になって欲しい」という場合の方法は?

 澤口氏のいう「普通の環境」をもう少し詳しく述べた部分を抜粋してみましょう。[20]

 生誕直後からの愛情深い母子密着とその後の豊かな社会関係

 つまり、「0歳から3歳頃までの愛着形成」と「3歳から8歳頃までの様々な自然体験・社会体験」が子どもの前頭連合野を育てる中心になるという主張です。その区切り目を「8歳」にしたのは、前頭連合野の発達のピークが8歳だからです。それまでの間に母親や父親がどのような子育てをしていったらいいのかについては、すでにこれまでの問題を通して、様々な角度から述べてきました。「抱っこ」もそうですし、「早寝早起き」もそうです。「栄養」の大切さもそうです。「安心」「楽しさ」「緊張感」をもたらす言葉かけもそうです。考えてみると、日本人が昔からしてきた子育ての方法が澤口氏のいう「普通の環境」であるように思います。その「普通の環境」が大人になった時の我が子の幸せにつながっていくのです。それは、どの子にとってもそうです。それが教育・養育の原点です。「普通とは何か」をあらためて考えることには深い意味があると思います。

[18]澤口俊之『HQ論』(海鳴社)174―177
[19]澤口俊之『「学力」と「社会力」を伸ばす脳教育』(講談社α新書)85
[20]澤口俊之『「学力」と「社会力」を伸ばす脳教育』(講談社α新書)97

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