NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題8

日本で胎教が始まったのは、いつごろからでしょうか。

ヒント 次の3つから選んでください。

     @江戸時代

     A明治時代

     B戦後(昭和20年代)

 胎教という言葉を聞きますと、お腹の赤ちゃんにクラッシックを聞かせたり、英語を聞かせたりするような特別なイメージを持たれる方もいらっしゃると思いますが、インターネットのウィキペディアで調べてみますと次のように書かれています。

「胎教(たいきょう) とは一般に妊婦が精神の安定に努めて、胎児によい影響を与えようとすることである。 胎内教育ともいう。」
 簡単に言いますと「胎児によい影響を与えようとすること」が胎教ということです。その胎教がいつ頃から始まったのかを上笙一郎著『日本子育て物語』(絶版)という本で調べてみました。[14]
 それによりますと、胎教という考え方も、「胎教」という言葉自体も、江戸時代後期の書物の中にたくさん登場し、日本人の子育てに大きな影響を与えていたとあります。

 この本の中で紹介されている大阪の医学者だった稲生恒軒の『いなご草』という書物の一部を紹介してみます。

 人は、をしへによらざればよき人とならず。そのをしへ、幼少の時にあるをよしとす。ただ幼少の時のみならず、胎内にある時よりのをしへあり。いまだ生れも出ざる子に、をしへありとはいかに。それ、人の子、胎内にありては母と一気なり。母の心のさまを子の心にうつし、母の身のはたらきを子にうつす。されば懐胎のうち、母の心よこしまなくすなほなれば、生るる子の心も正し。母の身のはたらき悪しき事なければ、生るる子、年にしたがい行儀よし。

(人は教えられなければ良い人にはならない。その教えは幼少の時に受けるのがよい。ただし、幼少の時だけではなく、胎内にいる時から教えはある。まだ生まれていない子にどうやって教えるか。それは、子どもというのは胎内にいるときには母親の気持ちと1つになっているのだから、母親の心の在り方をお腹の中の子どもにうつし、母親の身の在り方をお腹の中の子どもにうつすということが教えとなる。したがって、子どもがお腹の中にいるとき、心を素直にしていれば生まれる子も素直になり、身の振る舞いを悪くしなければ生まれる子も行儀がよくなる。)

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