NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題28 8歳までのどんな経験が人間関係力を高める?

 澤口氏の次の指摘も見逃せません。[29]

(3)テレビゲームをよくする幼児ほどgF(社会知能)が低い。

 これは「集団で遊ぶことが社会力を伸ばす」ということの裏返しです。コンピュータゲームは仮想世界で遊ぶものですから、やればやるほど集団で遊ぶ時間は少なくなり、泣いたり、笑ったり、痛い思いをしたりする経験は少なくなります。

 ここで、テレビやゲームなどのメディアが子どもの成長にどのような影響を及ぼすかを見ていきましょう。 まずは、統計的・科学的に証明されている報告から見ていきましょう。[30]

@テレビやゲームの時間を減らすことで子どもの暴力行為が少なくなる。
Aテレビを4時間以上視聴している子は他の子と比べて社会関係をうまくつくることができず、成績が低く、ひきこもりがちである。
B小児期のテレビ視聴は青年期の集中力に影響を与える。
Cテレビを長く見る3歳以下の幼児は睡眠リズムが乱れていることが多い。

 次は、日本小児科学会の提言です。[31]

ア 2歳以下の子どもには,テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょう。内容や見方によらず,長時間視聴児は言語発達が遅れる危険性が高まります。
イ テレビはつけっぱなしにせず,見たら消しましょう。
ウ 乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せないようにしましょう。見せるときは親も一緒に歌ったり,子どもの問いかけに応えることが大切です。
エ 授乳中や食事中はテレビをつけないようにしましょう。
オ 乳幼児にもテレビの適切な使い方を身につけさせましょう。見おわったら消すこと.ビデオは続けて反復視聴しないこと。
カ 子ども部屋にはテレビ・ビデオを置かないようにしましょう。

 テレビやビデオやゲームは悪い面ばかりではありません。子どもの成長にプラスになるところもあるはずです。しかし、身近にあるだけに気を使わなければ悪い面に負けてしまいます。大人でさえ時間を忘れて没頭してしまうわけですから子どもの場合はなおさらです。日本小児科学会の提言は大人である私たちが知っておかねばならない6点です。

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