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【コラム】さっとママの体験L

子どもがかんしゃくをおこしたら

 我が家では「テレビは一日一時間程度」というきまりがあります。息子が見たいテレビ番組を録画しておき、その中から三本選んで視聴すると、だいたい一時間を過ぎるくらいになります。
 その日、息子は大好きな「トムとジェリー」「ピタゴラスイッチ」を見ました。その後、いつも見ている「きかんしゃ トーマス」ではなく、新しい別の人気アニメを選んで見ました。それで一時間はあっという間に過ぎてしまいました。私はいつものように「はい。これでおしまいね」とテレビを消しました。すると、息子が「『トーマス』も見たかった!」と大泣きし始めたのです。「トーマス」もいつも通り見られると思ったのかもしれませんが、きまりはきまりですので私も頑として「ダメなものはダメだよ」「うちのきまりでしょ」と取り合いませんでした。けれど、息子は仰向けになりじたばたして泣き続けます。どうしようと困ってしまいました。
 そこでラジオ番組で教わった「子どもがかんしゃくをおこした時の親の対応」をやってみることにしました。まず、「本当はどうしたかったの?」と子どもに聞きなおすことから始めました。息子は泣きながら「『トーマス』も見たかったの!」と主張します。それに対して「そっかあ。見たかったんだねえ」と共感してあげました。次に「だけど、ダメなんだ。明日なら見せてあげられるよ」「『トーマス』の絵本なら、今、読んであげるよ」と代案を出しました。けれども息子は泣きやみません。それで、あとは落ち着くまで放っておくことにしました。でも、その後どうなるか全く見当がつきませんでした。
 息子はひとしきり泣いた後、ぴたっと泣きやんで本棚へ向かいました。そして「きかんしゃ トーマス」の絵本を二冊持ってきたのです。(へえ!子どもって、こうなるのかあ!)と変に感動しながら息子の行動を見守りました。もちろん、絵本は心をこめて読みました。途中、お父さんが帰ってきましたが「さっとと絵本読んでるから、夕飯の支度は待っててね」と中断せずに読み続けました。すると、息子もすっかり満足し、いつもの落ち着いた姿に戻りました。
 子どもがかんしゃくをおこしたら、まず「共感する」、次に「代案を示す」。そこまでしてあげても泣いていたら「放っておく」。これでなんとかなりそうです。「放っておく」というのは見放すのではなく「子ども自ら落ち着くのを待つ」という意味であり、子どもは落ち着くことができれば示された代案から解決策を選ぶこともできるんだと実感できた出来事でした。

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