NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題29 子どもが自分で出来る簡単な行動とは?

 まず一番簡単そうな⑥「ハンカチ・ちりかみを選び、園児服のポケットに入れる」ことから教えていきました。息子は毎朝、顔を洗ったら、ハンカチ・ちりかみの入った引き出しの場所へ行き、その日持っていくハンカチとちりかみを選び、園児服のポケットに入れることを始めました。最初の頃はハンカチ・チリ紙を選ぶだけで時間がかかりました。更にそれを左右のポケットに入れることに手間取りました。しかし毎朝繰り返していくうちにスムーズにできるようになっていきました。

 さりげなく答えられましたが凄いことですね。さっとママがしようとしていることを分析してみます。

 まず、朝起きてから玄関を出るまでの行動を9つに分けていますね。これは子どもに何かを教えるときに必要な「細分化の原則」ですね。そして、その中から一つだけを取り上げて教えるというのは「一時に一事の原則」ですね。更に、取り上げるものは易しいものから難しいものになるように順番を考えています。これは「易から難へ」という原則です。また更に言えば、「自分でやりなさい!」と言って放置するのではなく、「教える」ということが大前提になっていることが「教えていきました」という言葉からもわかります。さっとママのことですから、教えながらほめたのではないかと想像します。「教えてほめる」というのが子育ての大原則です。これらの原則は、TOSS代表の向山洋一氏が数多くの書籍の中で書かれていることです。さっとママのさりげない対応の中にこれらの原則がぎっしり詰まっていたので思わず解説を加えてしまいました。続きをお願いします。

 次に簡単そうな⑧「玄関に行き、ジャンバーをはおり、リュックと肩下げバッグを身につけ、帽子をかぶる」ことを増やしました。幼稚園に行く前から「一人でジャンバーを着る」「一人でリュックを背負う」「一人で帽子をかぶる」ことはそれぞれできていたので、それらをつなげて一通りやればいいだけです。でも、一つ一つの流れを一通り一人でするのはとても時間がかかることでした。これも毎朝やるうちにスムーズにできるようになりました。

 ハンカチ・ちりかみ選びという「たった一つの新しい行動」を増やし、次に、バラバラにすれば一人で出来ることだけれど、つなげて行うのは初めてだからという判断で「ハンカチ・ちりかみ選び」ができるようになってから⑧を持って来たわけですね。素晴らしいです。

>>