NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題42 なぜ、明治時代の日本の子どもは泣かなかったのか?

 さて、外国人たちは、「かわいさ」や「素晴らしさ」のほかに、「日本の子どもは泣かない」ということにも驚きました。泣かないことに驚いたということの裏には、外国の子どもはよく泣くという事情がありました。西洋の子どもがよく泣くことには理由があります。西洋ではムチなどによる体罰が子育ての手段として常識として定着していたからです。

 Gフロイス:「われわれの間では普通鞭で打って息子を懲罰する。日本ではそういうことは滅多に行われない」

 Hツェンベリ:「注目すべきことに、この国ではどこでも子供をむち打つことはほとんどない。子供に対する禁止や不平の言葉は滅多に聞かれない」

 Iフィッセル:「日本人の性格として、子供の無邪気な行為に対しては寛大すぎるほど寛大で、手で打つことなどとてもできることではないくらいである」

 体罰による西洋の子育て
 体罰によらない日本の子育て

 この違いが、西洋人の驚きの背景にあったわけです。

 Jカッテンディーケ:「彼らほど愉快で楽しそうな子供たちは他所では見られない」

 Kモース:「ニコニコしている所から判断すると、子供達は朝から晩まで幸福であるらしい」

 Lネットー:「日本ほど子供が、下層社会の子供さえ、注意深く取り扱われている国は少ない」

 しかし、体罰がないからといって「日本の子どもは泣かない」ということになるものでしょうか。

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