VOL.7〜「ああ感動のラスト前?」

  いやー皆さん、先月は意味不明な対談を載っけてゴメンナサイ。あれ実はスタッフ中澤が先月末に帰国するタイミングにあわせて、「いよいよ帰国直前のベトナムから生中継!」てな感じで臨時更新される予定だったんですよ。でも結局アップしたの8月だったんで、もう帰ってきてるっつうのな。その結果「なぜか日本にいるオッサン2人がskypeを通じてよく当たる星占いとか喋ってる」たいへん微妙なページになって
しまいまして、申し訳ありませんでした。

  そうじゃなくても、ここ最近、企画ページばっか組んでたら、その間スーパー2007なガーリー・アルバムが立て続けにリリースされてるわけで。久しぶりにまとめて紹介しちゃいますガーリー・ポップ、まずは超待望のラッキーソウル!!!

  どうやらM@「ADD YOUR LIGHT TO MINE,BABY」がFMでバンバンかかって日本でもかなり売れてるみたいですね。いやー世の中素晴らしい方向へ向かっています。先行シングルMC「LIPS ARE UNHAPPY」は去年からクドいほどかけ倒し、MIX CDにも収録しましたが、アルバム通しで聞くと「LIPS ARE UNHAPPY」がむしろ地味な曲に聞こえるほど全編が超どポップ!!!よく比較されるカーディガンズ(声似てる)よりかずっとモータウン色が強くて、ポップで弾むビートにウキウキするメロディ。これは良すぎて笑えます。スタッフ半田、山口もすでに愛聴盤、普段はオレンジレンジとかのジャケをデザインしてるBUCCIの手がけた日本盤のジャケもバッチリ。ルックス&名前などなどすべてが2007なセンスを含めこれは今年のガーリー大賞当確か?

  …というわけで、ラッキーソウルが好きな人の「ガーリー必修科目」はやっぱりセイント・エチエンヌかなと。「金髪の女の子ボーカル+ポップオタクな男達」という組み合わせの元祖にして最高到達点。ダンス系の音でありながら今でも古臭く聞こえないメランコリックなメロディーとサンプリング。安物シンセ1台を駆使して制作されたこのファーストは15年以上経った今でも全然アリ。冒頭のサッカー入場曲サンプリングの「THIS IS RADIO ETIENNE」からニール・ヤングのグラウンド・ビート・カヴァー「ONLY LOVE CAN BREAK YOUR HEART」につながっていくあたりは、DJ始めたばかりの頃にかなり影響受けました。セイント・エチエンヌのアルバムはこれ以外も全部イイです。

 そして、この人の新譜も紹介が遅れました!ストリート系ガーリー・キング安室ちゃんのニュー・アルバム!…とか言いながら、実は「安室カッコエエ!!」て心から思うようになったのは、前作「QUEEN OF HIP HOP」からで。♪キャユセレベ〜キャユセレベートゥナーイ〜ウィーハローン、ローンローンタイ〜♪の頃は、一応聴いてはいたけど安室ちゃんが悪いというより、ずばりオレの度量が狭くて、あまり良さがわからなかった。でもこうやって新譜にバリバリ盛り上がっている自分を見ると、人の好みなんてテキトーなもんです(オレがテキトーなのか)。やっぱり「これはオレの聞くもんと違うわ」とかって新しい音楽食わず嫌いするのは損ですね。

 それにしても、数多い日本人のヒップホップR&B路線のシンガーの中でも、この独特の譜割とリズム感は唯一無比ではないでしょうか。こんなに自然に聞こえる日本のシンガー他にいないのでは?他のR&Bシンガーに比べてfeaturingアーティストが圧倒的に少ない(あっても全然曲の中で目立たない)のも本人の自信の表れでしょう。Avexというとお飾りアイドルみたいなイメージもありますが、それはモータウンも同じだし、ダイアナ・ロスを自分で曲書かないからお飾りアイドルっていう人もいないでしょう。本当、これはもうダイアナ・ロス級の永遠ナウセンスを期待しちゃいますよ安室ちゃんには。

 いやぁ…ここのガーリー必修科目はどうするか、かーなり迷った!普通にローリン・ヒルかビヨンセかと思ったけど、それはもうこのページを読んでくれてる素晴らしきガーリー達はとっくに愛聴済みと勝手に決めつけて却下。かといって若きガーリー達に、ダイアナ・ロスを無理矢理聴かせて面白いか?…いっそのことカイリー・ミノーグがブラコン化して落ちぶれてた時代のアルバム(でもその時代が一番好きなの)という変化球も…と悩んだ結果コレ!これも超ベタですが90年代前半にヒップホップとR&Bを融合させた歌唱法で今のフィメールR&Bを作ったカリスマ・ガーリーのあまりに偉大すぎるファースト。

 もちろん今でも現役バリバリだし、どのアルバムにも必ずイイ曲入ってますが(去年の「GONNNA BREAKTHROUGH」ヤバす!!)、やっぱりこのファーストは全曲イイ。っていうか勢いが違います。特に「Reminisce」、「Real Love」、「You Remind Me」の大ヒット・シングル3曲は一度は絶対耳にしたことがあるはず。プロデューサーのショーン・“パフィ”・コムズも大ネタ盛りまくりで一番キレまくってた時代の問答無用クラシックです。そんで最新型のR&Bといえば、次のディスクでキマリですよね。

 実はこのディスクはプレイチューンにしようか迷ってたんですが…去年リリー・アレンと人気を二分した(つうかリリー・アレンに勝っちゃった)最新ストリート系ガーリー、エイミー・ワインハウスのファースト・アルバムがやっと9/5に国内発売されます!このビッチなルックスからは想像もつかないR&B構造のジャジー・ポップ!!たぶんハリウッドのお客さんには超ストライクの音なんでは。しかも声はメイシー・グレイ(大好き!)にクリソツのハスキーボイス。個人的には「わかってる男」JAY-Z客演の「REHAB」のリミックスが激しく最高!!(JAY-Z自らエイミーに電話をかけて申し出たらしい。カッコイイ!)そして「ハリウッドのわかってる男」スタッフ半田も激賞!!これはずばり2007年モッズ・アンセムでしょう!!スーパーマスト!!!

 …とか言いながら、ガーリー必修科目はメイシー・グレイじゃないんだな〜(笑)「ビッチつながり」ということで、一緒にされた両人ともに怒ること必至ですが、ここはクリスティーナ・アギレラを。なんせブリトニーと同じミッキーマウス・クラブ出身のティーン・アイドルがいきなりダイナマイト・ボディ露出しまくりのビャ〜ッチ!!!に変貌したんだから、そりゃビビリますよね。向こうにホームステイしていた別高の卒業生に読ませてもらったアメリカのティーン雑誌では「昔は天使のようで憧れてたのに今は最悪!」とか純真な子供達にボロクソにけなされてました。ワハハ。

 でも、真面目な話、この去年出た2枚組アルバムは大・大・大傑作!!もし去年の年間ベストが3枚じゃなくて5枚だったら絶対入る。同年代の白人女性ボーカルの中でも歌唱力がダントツなのはもちろんのこと、ディスク1のポップ・サイドもディスク2のジャズ・サイドもとにかく曲が粒揃い!!特にジャズ・サイドは去年ならアウトキャストのアルバムと肩を並べるまさにザッツ・エンターテイメント!!(やっぱりこういう胡散臭いジャズが一番好き)。日本だと知名度・セールスともにブリトニーやアヴリルには負けてるけど、ハッキリ言って内容は10馬身ぐらい差をつけてます。つうかなんで日本であんま人気ないのかな?

 …オイ、まだ紹介するか?って思ってるしょ?でもね、理由はあとで言いますが、次回でガーリーポップ最終回なんですよ(泣)なもんで、今のうちに心おきなく出来る限りのディスクを紹介せねば!…ということでエビちゃんCMの「PEREFECT SKY」で大ブレイクしたボニー・ピンク(ビーチバレーの浅田美和に似てない?)がCMの追い風を一切無視して、やっとこさアルバム出しましたYO!おお〜これは……スゲー地味だ!(褒めてます)

 …なもんで世間の風評は必ずしも良くはないが、いや…でもこれがボニー・ピンクですよね(笑)「PEREFECT SKY」でせっかく食いついた若きガーリー達が「地味!」の一言でこれを片付けてしまったら、あまりにもったいない。このスカスカなギター・ロックの向こうに潜むホワイト・ソウル魂と、あくまで地に足のついたインディー感あふれるポップ・センスをぜひ感じてほしい、2007マストにしてベストです。

 …というわけで、ボニー・ピンクの「声カワイイ+インディーポップ魂」にヤラれたガーリー達はぜひ!ジュリアナ・ハットフィールドを聴きましょう!!これはガーリーポップ連載してる間に、どうしても紹介したかった1枚(他にも紹介したいの10枚くらいあるけど…)。今も「インディーロックの純真」と呼ばれ、現役バリバリ活躍中。「ギター持って歌ってる姿が最も美しいガーリー」に勝手にオレ認定して15年。ジュリアナ・ハットフィールドのファースト・アルバム!!!

 こんな声して生まれちゃったら、日本なら声優になるか、アキバ・バーニングさせるかどっちかでしょうが、こんな女の子が、よりによってギターを持って、インディーポップへと道を踏み外すところが(褒めてます)アメリカの懐の深さ。15年たってもオレの中でジュリアナは唯一無比です。

 「EVERYBODY LOVES ME BUT YOU(!)」というあまりにガーリーなタイトルで始まる全11曲は、イヴァン・ダンドウとaikoを足したぐらい圧倒的なポップ・センスを見せつけるスペシャルな1枚。もうとっくに廃盤なので、探してください。不親切かもしれませんが、みずから「ナイものを探す」っていう経験も必要ですね。彼氏が提供する音楽ばかり聴いてたらガーリーも成長しないのです。つうか、男のススメる音楽なんて本当は聴かなくてイイんですよ、女の子達のアンテナの方が鋭いですから…。とかこのコーナー全否定するようなこと言ってますが(笑)。

  …というわけで、いつも以上に、バカ長く書きまくってしまいましたが、実はですね、ついにこの「ガーリーポップ」を書くきっかけだった♪ウィア〜ザ・ピペッツ!!!の日本盤化が決定しましたパチパチ(おせーよ!)発売は来月の10/17…あれ?ということは「ザ・ピペッツが日本盤になるまでガーリーポップ布教に努める」このコーナーは来月で終了?ガーン!!

 …というわけで来月はついに最終回!!待望しすぎて、ちょっと存在を忘れかけてたザ・ピペッツの素晴らしさをクドいほど紹介するのは勿論、心残りのないよう「ガーリー的なるもの」を載せたいと思います!それでは最後は来月に向けてピペッツのライヴ映像を紹介。ルックス含めコアでいてコアじゃないラインが完璧。特にジャッキー(眼鏡)の振り付けはヤバいです。さあ皆で「オーシェイプ!!」

 


バックナンバー


■2007年2月
VOL.1 「男は誰でも女好き」

■2007年3月
VOL.2 「ガーリィー・ポップ第1条〜出し惜しみはナシでね!〜」

■2007年4月
VOL.3 「 ガーリィー・ポップ 第2条 ガールズ・グループは永遠に不滅です! 」
〜または言ってみりゃ、女3人揃えば悪いものは1枚もナシ〜

■2007年5月
VOL.4 「ガーリィー・ポップ 第3条〜かくも業の深きガーリィ道よ」

■2007年6月
VOL.5 「ガーリィー・ポップ 第4条〜ギャルとガーリィーてのは違うのね〜」
〜禁断の女性ファッション雑誌特集!!〜

■2007年8月
VOL.6 「ガーリィはなぜ占いが好きか?」


北海道道東は別海町にてクラブイベントを企画する「HOLLYWOOD」のホームページ
Copyright (C) 2003-2005 HOLLYWOOD WEB. All rights reserved.