【刺身】(二人前)
●ほっき・・・・・・・・・・・・・・・・・・4玉ほど
●しょうゆ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
●わさび・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
【バター焼き】(二人前)
●ほっき・・・・・・・・・・・・・・・・・・4玉ほど
●バター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
●塩こしょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
●レモン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・二切れ
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ほっき貝のむき方、下処理についてはこちらのサイトが分かりやすいので参照してみてください。
【刺身】
@むいた身に熱湯をかけ、独特のぬめりと生臭さを取り除きます。
A食べやすいように細長く切って盛り付けたらできあがり。わさびじょうゆでいただきます。
【バター焼き】
@フライパンにバターを熱する。
Aちょうちょ形に開いたほっきをフライパンに入れ、炒める。塩こしょうで味付けをし、身が赤くなったらすぐに取り出す(ほっきは火が通り過ぎると硬くなります)。
Bお好みでレモンを盛り付け、できあがり。
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今回は地元野付産のほっき貝を使った料理。タイトルにもありますが、このほっき、漁業を営む自分が自ら沖に出て獲ってきました。ジャジャーン!!パァ、出たぁ〜。これを特権と言わずして何と言う!!これぞまさに理想の食材!!……念願の企画がついに実現でございます。
刺身とバター焼きなんてどんだけ手抜きなんよ!とお思いでしょうが……オイ、こら、待て。海産物の一番おいしい食べ方は漁師が誰よりも一番良く知っているんじゃーー!!それにそもそもこれを獲ってくるのにどんだけ手間がかかってると思っとんじゃーー!!
ってことでほっき漁について、まーちょっと説明するから見てくださいな。
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「第八海幸丸」。乗組員は船頭さんと甲板員の自分の二人。 |
現在、出港は午前4時半すぎです。眠いし、何より寒いっす。 |
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ほっきは海底に潜っているので水圧で掘り起こします。これは水を汲み上げるポンプ。ポンプからはホースが伸びていて⇒ |
上の写真の「噴流式マンガン」に繋がっています。ステンレス製のデカイ熊手のようなものです。この入り口で海水をジェット噴射して、掘り起こしたほっきは出口の網に入ります。 |
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これくらいの量が一度に獲れれば大漁です。この山からほっきを選別します。スケールを使って殻長を計り、規定の殻長に満たないものは放流します。 |
選別後のほっき。写真のように一カゴびっしり入ったら60kgくらいあります。これを一人で無理して持ち上げたら腰いわします。 |
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ほっきに混じって獲れるエゾバカガイ(青柳)。江戸前寿司のネタなどに使われる高級貝です(ほっきの倍以上の値段がします)。需要は道外の方が高く、道内で消費されることはあんまりないんじゃないかなあ。 |
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ね?けっこう手間かかってるでしょ?
北海道でほっきと言えば漁獲量全国一位の苫小牧が有名ですが(駒苫野球部も「ほっき打線」なんて呼ばれていますね)、ボカァね、漁獲量は苫小牧に譲るにしても、「大きさ」「色」「味」の品質部門はウチがダントツで全国一位だと思ってるわけです。そもそも苫小牧のほっき漁の歴史は野付産のほっきの稚貝を放流したところからスタートしているくらいですから。元祖は野付産っていうね。
今回使用したのは野付産の中でも特に上質な「巽(たつみ)」海区産の、通称「黒ボッキ」。語感はちょっと卑猥な感じがしますが(笑)、下の写真をご覧の通り、ギラギラと黒光りした……もとい、真っ黒な貝に包まれたほっきのことですね。ギュッと身が締まって濃厚な味がするということで、市場では特に高値で取引されます。
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これが「黒ぼっき」。このサイズだと「大ぼっき」(10.5cm以上)ですね。 |
そんな「黒ボッキ」の刺身とバター焼きなんだからマズいわけがなかろうよ!!ってことでちゃちゃっと包丁を入れ、ちゃちゃっとフライパンで炒めて刺身とバター焼きは完成〜。
これでマズいなんて言われたらそりゃもうタイヘンなわけですが、お客さんは「ウマい!!」と一様に満足してくれたようでした。ページトップの写真二枚で一人前だったのですが、皆さん完食してくれましたよ〜。やっぱり自分が獲ってきたものをおいしいって言ってもらえるのは最高に嬉しいッス。
そんなほっきも今シーズンは世の不況の煽りを受けて、価格が安値停滞しています。ホント商売あがったりです。生産者にとっては厳しい時代ですが、逆に消費者の皆さんは普段高くて手が出ないほっきを安く食べられるチャンスなんです。だからこの機会にほっきをたくさん買って、たくさん食べて、そのおいしさを知ってもらえたらと思います、ハイ。 |