2009年3月7日(土)
 


【刺身】(二人前)
●ほっき・・・・・・・・・・・・・・・・・・4玉ほど
●しょうゆ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
●わさび・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量

【バター焼き】(二人前)
●ほっき・・・・・・・・・・・・・・・・・・4玉ほど
●バター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
●塩こしょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
●レモン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・二切れ

ほっき貝のむき方、下処理についてはこちらのサイトが分かりやすいので参照してみてください。

【刺身】

@むいた身に熱湯をかけ、独特のぬめりと生臭さを取り除きます。

A食べやすいように細長く切って盛り付けたらできあがり。わさびじょうゆでいただきます。

【バター焼き】

@フライパンにバターを熱する。

Aちょうちょ形に開いたほっきをフライパンに入れ、炒める。塩こしょうで味付けをし、身が赤くなったらすぐに取り出す(ほっきは火が通り過ぎると硬くなります)。

Bお好みでレモンを盛り付け、できあがり。

今回は地元野付産のほっき貝を使った料理。タイトルにもありますが、このほっき、漁業を営む自分が自ら沖に出て獲ってきました。ジャジャーン!!パァ、出たぁ〜。これを特権と言わずして何と言う!!これぞまさに理想の食材!!……念願の企画がついに実現でございます。

刺身とバター焼きなんてどんだけ手抜きなんよ!とお思いでしょうが……オイ、こら、待て。海産物の一番おいしい食べ方は漁師が誰よりも一番良く知っているんじゃーー!!それにそもそもこれを獲ってくるのにどんだけ手間がかかってると思っとんじゃーー!!

ってことでほっき漁について、まーちょっと説明するから見てくださいな。

「第八海幸丸」。乗組員は船頭さんと甲板員の自分の二人。
現在、出港は午前4時半すぎです。眠いし、何より寒いっす。
ほっきは海底に潜っているので水圧で掘り起こします。これは水を汲み上げるポンプ。ポンプからはホースが伸びていて⇒
上の写真の「噴流式マンガン」に繋がっています。ステンレス製のデカイ熊手のようなものです。この入り口で海水をジェット噴射して、掘り起こしたほっきは出口の網に入ります。
これくらいの量が一度に獲れれば大漁です。この山からほっきを選別します。スケールを使って殻長を計り、規定の殻長に満たないものは放流します。
選別後のほっき。写真のように一カゴびっしり入ったら60kgくらいあります。これを一人で無理して持ち上げたら腰いわします。
 
ほっきに混じって獲れるエゾバカガイ(青柳)。江戸前寿司のネタなどに使われる高級貝です(ほっきの倍以上の値段がします)。需要は道外の方が高く、道内で消費されることはあんまりないんじゃないかなあ。

 

ね?けっこう手間かかってるでしょ?

北海道でほっきと言えば漁獲量全国一位の苫小牧が有名ですが(駒苫野球部も「ほっき打線」なんて呼ばれていますね)、ボカァね、漁獲量は苫小牧に譲るにしても、「大きさ」「色」「味」の品質部門はウチがダントツで全国一位だと思ってるわけです。そもそも苫小牧のほっき漁の歴史は野付産のほっきの稚貝を放流したところからスタートしているくらいですから。元祖は野付産っていうね。

今回使用したのは野付産の中でも特に上質な「巽(たつみ)」海区産の、通称「黒ボッキ」。語感はちょっと卑猥な感じがしますが(笑)、下の写真をご覧の通り、ギラギラと黒光りした……もとい、真っ黒な貝に包まれたほっきのことですね。ギュッと身が締まって濃厚な味がするということで、市場では特に高値で取引されます。

これが「黒ぼっき」。このサイズだと「大ぼっき」(10.5cm以上)ですね。

そんな「黒ボッキ」の刺身とバター焼きなんだからマズいわけがなかろうよ!!ってことでちゃちゃっと包丁を入れ、ちゃちゃっとフライパンで炒めて刺身とバター焼きは完成〜。

これでマズいなんて言われたらそりゃもうタイヘンなわけですが、お客さんは「ウマい!!」と一様に満足してくれたようでした。ページトップの写真二枚で一人前だったのですが、皆さん完食してくれましたよ〜。やっぱり自分が獲ってきたものをおいしいって言ってもらえるのは最高に嬉しいッス。

そんなほっきも今シーズンは世の不況の煽りを受けて、価格が安値停滞しています。ホント商売あがったりです。生産者にとっては厳しい時代ですが、逆に消費者の皆さんは普段高くて手が出ないほっきを安く食べられるチャンスなんです。だからこの機会にほっきをたくさん買って、たくさん食べて、そのおいしさを知ってもらえたらと思います、ハイ。

 

 

…これはマズい!!やっちゃったね〜 …もうちょっとやりようがあるな〜箸は進まないね …可もなく不可もなく。おいしく頂きました。 …これは店で金取って出せるレベルだ!!  …こんなウマいもの食ったことない!!プロ顔負け!!



今回の評価 ☆☆☆☆☆ 評価外!

これは反則技だよ〜!!ウマいに決まってるじゃん!!素材が良すぎるうえに、刺身とバター焼きって調理の腕がどうこうの問題じゃないしなぁ…。でもこういうシンプルなメニューがやっぱり一番ウマいってのは認めざるをえない!!

 

 
外食好きのシェフが道東近郊の「ウマいもの」をVinyl Diggerの如く掘りまくる!!レッツ・サクサク!!否、モグモグ!!

今月から新コーナーがスタートです!この『Diggin' Cookin'』は三度の飯より外食好きなアタクシ(アレ?日本語おかしい?)が、ここ道東近郊で食した「超絶にウマいもの」をみなさんにご紹介していくコーナーです。ここら辺に住む人なら誰しもが知る名物よりかは、ガイドブックには載っていない、「知る人ぞ知る」的なメニューを、レコードのレア盤の如く掘りまくって食いまくる!!そんな方向性でやっていけたら、なんて次第。

基本、紹介するもののほとんどが所謂「B級グルメ」なので、値段もリーズナブル。休日のドライブがてらお腹ペコペコにしてディグってみてくださ〜い。

釧路・「鮭番屋(しゃけばんや)」の海鮮炭火焼


以前、新井仁さんが『range life』のオープニング・パーティーにいらした時に、店長の半田さんに連れて行ってもらったのがこの『鮭番屋』(過去のCOLUMN参照)。その時に頂いた海鮮炭火焼がとんでもなくウマくて、それから個人的にもちょくちょく(つーかけっこう頻繁に)食べに行ってます。のっけから自ら発掘した場所じゃないってのもアレですが(半田さんさーせん!!)、今一番テンションがあがる外食はココかなあ。

ここの何がすごいって、自分で言うのも何ですけど、海鮮モノには舌が肥えまくってる漁師の自分がわざわざ釧路まで出向いて、金を払ってでも食いたいっていうくらいのクオリティの高さ!!ここにある海産物自体は自分ちでも獲れるものがほとんどだから(ホタテは野付産)、さして珍しいもんでもないんです、正直ね。でもここの加工技術のハイレベルさたるやね。干し加減、塩加減、焼き加減(人のいい給仕のおばちゃんが焼き上がりまで面倒見てくれます)は絶対に真似できない職人技!!

で、値段がべらぼうに安い。お腹いっぱい食っても一人1000円ちょい。これだけのもんを釧路市内にある観光客相手の炉端で食ったら5倍はしますよ。

雰囲気も抜群で、隣の席では仕事終わりの漁師のおっちゃん達が銀ダラのかまなんかをつまみながら昼間っからビールかっくらってたりします。岩間宗達(『酒のほそ道』)も泣いて悔しがるくらい贅沢な肴っつう。んで、このおっちゃんたちがまた絵に描いたような人懐っこさでね。焼酎焼けした満面の笑みで「兄ちゃん食え!」なんてイカをくれたりするんだから最高です(この前はなぜか牛乳をくれました、笑)。この時、自分が同業者であることは照れがあって打ち明けられません(笑)。


お店に入ったらまず食べたいブツをパン屋さんみたいにトングでトレイに取り(豪快でしょ?)、レジで清算してもらいます。


自分が毎回食べる間違いないメニューは、ツボダイ(写真右上)、ホタテ(写真左上、地元の野付産なのにそのウマさに改めてびっくりした)、鮭ハラス、イカ、それとアツアツのごはん!ってとこでしょうか。ビールは帰りの運転があるので飲めません…。

場所は釧路西港近辺。営業時間が早朝から昼過ぎ(14時)までなんで、間に合わなそうなときは電話一本入れたら対処してくれることもあります。

 


マルア阿部商店工場直売店 鮭番屋

【住所】 北海道釧路市浜町4番11号 ※地図はこちら
【пz 0154-25-0503
【ホームページ】 http://www.syake-banya.jp/
【営業時間】 7:30〜14:00



北海道道東は別海町にてクラブイベントを企画する「HOLLYWOOD」のホームページ
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